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ルノー・カングーの限定車、コンフィチュール

8月29日にルノー・カングーの限定車、「コンフィチュール」が発売されました。フランスのパティシエ、ピエール・エルメとのコラボレーションによる特別仕様車です。


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8月29・30日には、東京・代官山のT-SITEで、展示イベントが行なわれました。コンフィチュールというのはジャムであり、ラズベリーなどの飾り付けがされています。

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カングー・コンフィチュールの公式イメージ。カラーは2色あり、写真の2種の果実に由来。ピエール・エルメのフレーバーの、ラズベリーを主体にした「イスパハン」と、カシスを主体にした「アンヴィ」が、そのまま車名になっています。赤いほうが「イスパハン」、青いほうが「アンヴィ」で、使用されたどちらのボディ色も以前カングーにあった色だそうですが、今回特別に再登場しました。

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色以外にもいくつか特別な仕様があり、通常日本仕様にはないパノラミックルーフを装備しています。カングーは元来フロントの天井部分に棚がありますが、それがなくなるかわりに開放的な室内になっています。室内ではシフトレバーのブーツが車体と同じ色になっています。

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そのほか、リアのライセンスプレートカバーがトリコロールとなり、フランスらしさをアピールしています。
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リアには、それぞれの車名(ジャム名)の入ったステッカーが貼られます。
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ピエール・エルメの、元となったコンフィチュール(ジャム)。フランス産のジャムとしては、たとえばボンヌママンという良心的なブランドが日本でもポピュラーですが、価格的にはボンヌママンがルノーだとすると、ピエール・エルメはフェラーリぐらいというイメージです。そんなことからしても、このコラボレーションは、ルノーのイメージづくりとしては、効果のあるものだといえそうです。
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もともとは、現行ルーテシアのデビュー時に、本国フランスで、ちょっとおもしろい形で、ピエール・エルメとのコラボレーションを行なっています(リンク先の記事の末尾で紹介)。それがきっかけで、日本でもルノー・ジャポンが、さまざまにピエール・エルメとのコラボを展開するようになりました。本国では、おそらく一度きりの企画だったようで、日本での展開を、フランスサイドのルノーも、興味をもって見ているのだそうです。ルノー・ジャポンは、FTS戦略(フレンチ、トレンディ、スポーツ)を掲げていますが、ピエール・エルメは、フランス菓子業界のトレンドの最先端をいく存在なので、FとTの面では、このうえないコラボレーションといえそうです。

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夜も更けた代官山。展示のテーマは、「フランスのラズベリー農園」でした。クルマを買った人には、ピエール・エルメのコンフィチュールがプレゼントされるようですが、発売当日で限定100台のうちのかなりの数が売れてしまったとのことでした。


(レポート・写真:武田 隆)


リポーターについて

武田 隆(たけだ・たかし)

1966年東京生まれ。早稲田大学第一文学部仏文科中退。出版社アルバイトなどを経て、自動車を主体にしたフリーライターとして活動。モンテカルロラリーなどの国内外モータースポーツを多く取材し、「自動車アーカイヴ・シリーズ」(二玄社)の「80年代フランス車篇」などの本文執筆も担当した。現在は世界のクルマの文明史、技術史、デザイン史を主要なテーマにしている。著書に『水平対向エンジン車の系譜』 『世界と日本のFF車の歴史』『フォルクスワーゲン ゴルフ そのルーツと変遷』『シトロエンの一世紀 革新性の追求』(いずれもグランプリ出版)がある。RJC(日本自動車研究者ジャーナリスト会議)会員。

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