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2016 トヨタ博物館 クラシックカー・フェスティバル in 神宮外苑

11月26日、東京の明治神宮外苑を拠点に、トヨタ博物館のクラシックカー・フェスティバルが開催されました。イベントは今年で10回目になります。
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当日朝、参加車のクルマがパレードに出る前の光景。絵画館前に、おおよそ年代順に並んでいます。
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参加車の先頭をきってスタート地点にやってきたフォード・モデルA。1931年型で、千葉大自動車部所有の車両です。クランクがけでエンジンを始動してから走行を開始しました。トヨタ博物館の布垣直昭館長、自動車史研究家の高嶋鎮雄さんも見守っています。
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こちらはハドソン・コモドア。ハドソンはかつてアメリカにあったブランドで、このクルマは1950年型です。戦前のクルマのような前後フェンダーのふくらみがまったくない、フラッシュサイドというボディ形状を採用した最初期のクルマのひとつで、さらに、当時の流行そのものですが、リアホイールを完全に覆っており、たいへんスタイリッシュ。ルーフラインも流麗なもので、実にしびれるたたずまいです。こういう夢のような雰囲気のアメリカ車に影響されて、後のたとえば1955年のシトロエンDSのようなクルマも誕生したのだと思います。ちなみにこのクルマは、当時から日本に輸入されていたものだということです。
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パレードは、銀座まで行って帰って来ます。絵画館前の広場から一般道へ出て走り出したセドリック、ボルボ、アルファロメオ。1960年代中盤のクルマたち。
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一般道にこれから繰り出すところ。このポルシェは一見911ですが、参加車リストを見ると912とありました。4気筒エンジン搭載モデルです。その後にはマツダ・ファミリアのクーペが見えます。
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1950年代のクルマが並ぶ光景。独特の丸みのあるボディが"50年代"です。手前はジャガーXK。
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トヨタ200GTのスピードトライアル車のレプリカが、絵画観前の道で、デモ走行をしました。後に見えるのは「007は二度死ぬ」のボンドカーとしてつくられたオープンモデル。ちなみに、下の路面はひびだらけですが、この路面は日本最古のアスファルト路面だといわれています。
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記念乗車撮影ができるクルマとして、1958年のフォードのエドセルが展示されていました。この当時社長だったヘンリー・フォード2世の亡き父親エドセルの名を冠したもので、鳴りもの入りの新ブランド立ち上げのクルマでしたが、失敗に終わったというのは有名な話です。あくが強かった当時のアメリカ車の中でも、いちだんとインパクトの強い縦型グリルのフロントマスクが特徴で、悪名高いデザインなのですが、なにはともあれ見ごたえがありました。
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(レポート・写真:武田 隆)


リポーターについて

武田 隆(たけだ・たかし)

1966年東京生まれ。早稲田大学第一文学部仏文科中退。出版社アルバイトなどを経て、自動車を主体にしたフリーライターとして活動。モンテカルロラリーなどの国内外モータースポーツを多く取材し、「自動車アーカイヴ・シリーズ」(二玄社)の「80年代フランス車篇」などの本文執筆も担当した。現在は世界のクルマの文明史、技術史、デザイン史を主要なテーマにしている。著書に『水平対向エンジン車の系譜』 『世界と日本のFF車の歴史』『フォルクスワーゲン ゴルフ そのルーツと変遷』『シトロエンの一世紀 革新性の追求』(いずれもグランプリ出版)がある。RJC(日本自動車研究者ジャーナリスト会議)会員。

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