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新型スイフトスポーツに試乗

 2010年の9月に発売されて以来、走る・曲がる・止まるといったクルマの基本性能の高さなどで好評を得ている3代目スイフトに、待望のスポーツモデル「スイフトスポーツ」が追加設定されました。短時間でしたが試乗することができましたので、簡単なインプレッションをお届けします。(箱根周辺)


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走りのアグレッシブさと高品質を両立させたというエクステリアには、優れたエンジン性能を表現した大開口のフロントグリル、低重心なサイドアンダースポイラー、迫力のデュアルエキゾーストパイプ&メタリック塗装のディフューザーなどが装着されています。


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スイフトスポーツのボディカラーといえば、上記のチャンピオンイエローが定番でしたが、カタログにも大きく掲載されているプレミアムシルバーメタリックもよく似合っていました。


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搭載されるエンジンは、直列4気筒1.6リッターDOHCのM16A型。吸気VVTや冷却システムの最適化などに加え、可変吸気システムを新たに採用することで、さらなる高出力・高トルク化(最高出力100kW/6900rpm、最大トルク160Nm/4400rpm)が実現されています。


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ブラック基調をベースに随所にレッドステッチが施されるなど、スポーティかつ上質なインテリア。本革ステアリングホイールや240km/h表示のスピードメーターなどが専用装備されています。


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新開発された6速MTには、1、2速にトリプルコーンシンクロを奢り、3〜6速にも大容量のシンクロナイザーリングが採用されています。


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専用セッティングの7速マニュアルモード付き副変速機付きモデルも用意。ステアリングホイールから手を離すことなくシフトチェンジできるパドルシフトも採用されています。


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スポーツドライビングに対応できる大型ステンレス製のフットペダルが全車に採用されています。


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フローフォーミングトリム成形を採用することにより強度と軽量化を両立したアルミホイールと、ハンドリング性能を向上させる195/45R17サイズタイヤが採用されてます。


室内空間やユーティリティ性能を多少犠牲にしてまでも、上質な走りにこだわった新型スイフトのスポーツモデルということで、デビュー前から期待されていましたが、従来モデルのウィークポイントとして挙げられていたトルク不足や後輪の追従性は、可変吸気システムを採用したエンジンや新開発のトランスミッション、新設計のリアサスペンションなどで、見事に払拭されていました。乗り心地もホットハッチとは思えないほどフラットで、ボディ剛性の向上はもちろん、タイヤやホイール、ブレーキまで軽量化してバネ下重量を低減したことが寄与しているのでしょう。
特筆したいのが、新開発の6速MTの完成度。シンクロを奢っていることもあり、クラッチミートも容易でショートストロークで決まるシフトチェンジは、クルマを操る楽しさを倍増させてくれ、マニュアルトランスミッションのよさを再認識させるものでした。
また、すべてにおいて大幅な進化を遂げたのにもかかわらず、MTモデルで6〜7万円と最低限の値上げに抑えられていることも好感が持てます。


メーカー希望小売価格は、6速MTモデルが168万円、CVTモデルが174.825円となっています。

(レポート・写真:小堀 和則)

リポーターについて

武田 隆(たけだ・たかし)

1966年東京生まれ。早稲田大学第一文学部仏文科中退。出版社アルバイトなどを経て、自動車を主体にしたフリーライターとして活動。モンテカルロラリーなどの国内外モータースポーツを多く取材し、「自動車アーカイヴ・シリーズ」(二玄社)の「80年代フランス車篇」などの本文執筆も担当した。現在は世界のクルマの文明史、技術史、デザイン史を主要なテーマにしている。著書に『水平対向エンジン車の系譜』 『世界と日本のFF車の歴史』『フォルクスワーゲン ゴルフ そのルーツと変遷』『シトロエンの一世紀 革新性の追求』(いずれもグランプリ出版)がある。RJC(日本自動車研究者ジャーナリスト会議)会員。

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