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日産リーフにレーシングバージョンが登場

プラットフォームから完全開発された電気自動車として好評を得ている日産リーフに、同社のチューニング部門である「nismo(ニスモ)」がチューニングを施したリーフニスモRSがデモンストレーションカーとしてデビューしました(日産テストコース)。

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EV(電気自動車)のドライビングプレジャーをアピールするために開発されたリーフニスモRC。ヘッドライトなどに量産車のリーフのイメージを残しながらも、レーシーなスタイリングに生まれ変わったエクステリア。全長4465mmこそ量産車とあまりかわらないものの、車高は333m下げられて1212mmになり、全幅も172mm広げられて1942mmになっています。


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F1などと同様にカーボンモノコックが採用されたコックピット。カーボンマテリアルの提供先は東レ株式会社で、バッテリーを保護するためにハニカム構造が採用されています。


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量産車のリーフのパワートレイン(バッテリー、モーター、インバータ)をそのままミッドシップに搭載。レースモードのでの航続時間は約20分で、0−100km/hは6.85秒。最高速度は150km/hで、筑波サーキットでのファステストラップタイムは1'07.16を記録しています。


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日産が独自に開発した新型急速充電器。現行の急速充電器と同様な性能を確保しながら、容積比で約半分に小型化。価格も100万円を大きく下回る設定とされています。


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オーテックジャパンによって開発中のリーフ・ライフケアビークル(福祉車両)のドライビングヘルパー仕様車。EVならではの滑らかな加速が実現されており、福祉車両の概念を変えるモデルになるかもしれません。


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量産車のリーフは、同社のガソリンエンジン車であるジュークなどと同じラインで生産されています。


今回紹介したリーフニスモRCは、フランスのルマン24時間レースやイギリスのグッドウッドフェスティバルオブスピードなど、伝統あるモータースポーツイベントでデモランを行なっています。世界初の専用ボディ量産EVを販売するだけでなく、EVの可能性をアピールする日産の姿勢は、世界から高い評価を受け、今後EVのリーディングカンパニーとして認識されていくと思います。

(レポート・写真:小堀 和則)

リポーターについて

武田 隆(たけだ・たかし)

1966年東京生まれ。早稲田大学第一文学部仏文科中退。出版社アルバイトなどを経て、自動車を主体にしたフリーライターとして活動。モンテカルロラリーなどの国内外モータースポーツを多く取材し、「自動車アーカイヴ・シリーズ」(二玄社)の「80年代フランス車篇」などの本文執筆も担当した。現在は世界のクルマの文明史、技術史、デザイン史を主要なテーマにしている。著書に『水平対向エンジン車の系譜』 『世界と日本のFF車の歴史』『フォルクスワーゲン ゴルフ そのルーツと変遷』『シトロエンの一世紀 革新性の追求』(いずれもグランプリ出版)がある。RJC(日本自動車研究者ジャーナリスト会議)会員。

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