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マツダ・アクセラ×スカイアクティブテクノロジーに試乗

 世界中から好評を得て、今やマツダのグローバル販売台数の1/3を占めるに至ったマツダ・アクセラがマイナーチェンジを受けました。マツダが社運をかけて開発したスカイアクティブテクノロジーが採用されています(箱根周辺&東京都内)。

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マツダのデザインアイデンティティを受け継ぎながらも、よりアグレッシブでシャープに生まれ変わったエクステリア。高速走行時の安定感や低燃費に寄与する空力性能にも磨きがかけられています。


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センターコンソールガーニッシュをシルバー調からピアノブラック調に一新したインテリアには、スカイアクティブ専用のメーター、シフトノブを採用。輝度の高い加飾を施すことにより、操作ミスを低減させるといった工夫も見られます。


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インストルメントパネルの上側に設けられたマルチインフォメーションディスプレイには、アイドリングストップの状態や燃費履歴などが、グラフィカルに表示されます。


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デミオのスカイアクティブと同様に、美しい塗装が施されたエンジンカバーが目を引く2リッター直噴エンジンの「スカイアクティブ-G 2.0」。圧縮比は12.0に抑えられたものの、最高出力113kW/6200rpm、最大トルク194Nm/4100rpmの性能を発揮。15インチタイヤ装着車では、10・15モード燃費で20km/Lという低燃費性能も達成しています。


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マツダの新世代トランスミッションである6速ATの「スカイアクティブドライブ」。ダイレクトな走行フィーリングが得られるMTベースのデュアルクラッチトランスミッションと、スムーズな加速感が得られるトルコン式ATのいいとこどりをしたトランスミッションとして開発されています。その技術の中心となる小型湿式多板クラッチ(写真上)と、変速制御用コンピュータと油圧制御機構を一体化したメカトロニクスモジュール(写真下)。


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フロアパネル下の中央部に新たに設置されたブレースバー。フロアパネル前部のクロスメンバーの補強部材なども追加され、アンダーボディの剛性が大幅に向上しています。


世界中から高い評価を得ながら、日本市場の販売台数ではやや伸び悩んでいるアクセラですが、その一因と思われるエクステリアは、個性を残しつつもクセのないデザインに生まれ変わりました。元々、定評のあったインテリアにも、専用メーターやマルチインフォメーションディスプレイなどが採用され、先進性が加えられています。
スカイアクティブG-2.0エンジンは、乗った瞬間に胸のすくようなパワーやトルクは感じられないと思いましたが、日常で使えば使うほど味わいが感じられる「おふくろの味」を目指したとのこと。事実、最初に乗った箱根周辺の試乗会よりも東京都内での試乗の方が扱いやすいと感じました。
初搭載となる注目のスカイアクティブドライブは、ダイレクト感のあるシフトフィーリングやマニュアルシフト時のダウンシフトの速さなど目を見張る部分もありますが、極低速時のロックアップ時に振動が感じられるなど、やや煮詰めが足りないような部分も見られました。しかし、その技術は理論に基づいており、今後はさらに熟成されてマツダのトランスミッションの中核を担うことでしょう。
サスペンション、電動油圧パワーステアリング、ボディ剛性、空力性能も徹底的に見直され、静粛性やハンドリングも大幅な進化を遂げました。15インチタイヤ装着車は、やや燃費志向のセッティングになっています。


(レポート・写真:小堀 和則)


リポーターについて

武田 隆(たけだ・たかし)

1966年東京生まれ。早稲田大学第一文学部仏文科中退。出版社アルバイトなどを経て、自動車を主体にしたフリーライターとして活動。モンテカルロラリーなどの国内外モータースポーツを多く取材し、「自動車アーカイヴ・シリーズ」(二玄社)の「80年代フランス車篇」などの本文執筆も担当した。現在は世界のクルマの文明史、技術史、デザイン史を主要なテーマにしている。著書に『水平対向エンジン車の系譜』 『世界と日本のFF車の歴史』『フォルクスワーゲン ゴルフ そのルーツと変遷』『シトロエンの一世紀 革新性の追求』(いずれもグランプリ出版)がある。RJC(日本自動車研究者ジャーナリスト会議)会員。

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