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新型カムリ、試乗レポート

2011年9月5日に発売された新型カムリに試乗することができましたので、車両の紹介と簡単な試乗レポートをお届けします。(お台場周辺・その他)

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販売チャネル創立50周年を迎えたカローラ店のフラッグシップセダンにふさわしく、高級感と先進性を両立したエクステリアに仕上げられています。


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エクステリア同様に高級感と先進性を両立したというインテリアは、水平基調で広がり感を表現したインストルメントパネルやハイブリッドシステムインジケーターなどを備える専用オプティトロンメーターなどが採用されています。


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先代モデルから定評のあった後席のレッグスペースは46mm拡大され、ゆとりの後席居住空間が実現されています。


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トランク容量は、ハイブリッドセダン最大級となる440lを確保。ゴルフバッグ4個が搭載できるだけでなく、長尺物に対応するトランクスルー機能も備えられています。


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パワートレインは、トヨタ独自のハイブリッドシステムであるリダクション機構付きのTHS2で、新開発の2.5リッター直列4気筒DOHCエンジンと組み合わされています。システム全体の最大出力は205PSと3リッターV6エンジン並みを誇りながらも、10・15モード燃費はコンパクトカークラスに匹敵する26.5km/lを達成しています。


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HDDナビゲーション画面には、エネルギーモニター、毎分燃費表示、ESPO(エコパスポートの略)エコドライブ情報などを表示することも可能です。


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ドアミラーの付け根部分には、エアロスタビライジングフィンと呼ばれるボルテックスジェネレータを装着。気流に小さな渦を発生させることで、車体を左右から押さえつけ、高速走行時の操縦安定性を向上させています。

1980年にセリカカムリとして発売されて以来、北米を中心に全世界で約1400万台を販売してきたカムリの8代目モデルです。
北米市場を意識した多少マッチョなスタイリングですが、シャープなラインなどがうまく取り入れられていて、高級かつ嫌みのないデザインに仕上げられています。
インテリアの質感も高く、専用オプティトロンメーターにはハイブリッドカーならではの表示が採用されているものの、普通のセダンからの乗り換えでも違和感がないような配慮が見られます。
3リッターV6エンジン並みとメーカーが謳う動力性能についても偽りはなく、シームレスな加速フィーリングは大排気量エンジンを搭載したハイブリッドカーならでは。
足回りは、乗り心地が重視されているのものの適度に固められていて、ステアリングフィールもリニアな手応えが感じられるものへ一新された印象を受けました。
特筆したいのは、車両の静粛性。一般道路ではもちろんのこと、悪路や高速道路などでも常に高い静粛性が保たれていました。
最上級グレードにしかクルーズコントロールが標準装備されないなど、装備面で多少不可解な点はありますが、304万円からという価格設定は車の内容から考えるとリーズナブルと思われます。
省エネが叫ばれるなか、大型の車に乗ることが悪のような世論ですが、コンパクトカー並みの低燃費を実現した新型カムリなら、市場に受け入れられるのではないでしょうか。


(レポート・写真:小堀 和則)

リポーターについて

武田 隆(たけだ・たかし)

1966年東京生まれ。早稲田大学第一文学部仏文科中退。出版社アルバイトなどを経て、自動車を主体にしたフリーライターとして活動。モンテカルロラリーなどの国内外モータースポーツを多く取材し、「自動車アーカイヴ・シリーズ」(二玄社)の「80年代フランス車篇」などの本文執筆も担当した。現在は世界のクルマの文明史、技術史、デザイン史を主要なテーマにしている。著書に『水平対向エンジン車の系譜』 『世界と日本のFF車の歴史』『フォルクスワーゲン ゴルフ そのルーツと変遷』『シトロエンの一世紀 革新性の追求』(いずれもグランプリ出版)がある。RJC(日本自動車研究者ジャーナリスト会議)会員。

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